ペプチドリームの窪田規一会長が、個人投資家向け会社説明会で語る定番の例え話です。
抗体医薬がダンプカー、低分子医薬は原付バイク、ならば特殊ペプチド治療薬はジャガー「Fタイプ」のスポーツカーであると、窪田氏は断言します。

仮に、この誇張した発言を真に受けたとしても、ペプチドリームはただのスポーツカーではありません。ペプチドリームにおけるペプチド医薬の開発体制は、言ってみれば車輪のないスポーツカー。残念ながら、どれだけ高性能のパワートレインを誇っていたとしても、車輪がなければ走行は不可能です。

「試験管に兆単位のペプチド」というキャッチコピーにあるように、ペプチドリームの創薬プラットフォームでは、一本の試験管で何兆種類ものペプチドを生成することができます。この技術は各方面からの注目を集め、株価においては驚異的な時価総額を築き上げました。しかし、この技術は本当に収益につながるのでしょうか。疑惑の念を禁じえません。

ペプチドリームが投資家の期待に応えようと思えば、製薬業界の平均値を大きく上回るスピードで開発の各段階(フェーズ)を通過しなければなりません。しかし、設立13年を経た現在まで、ペプチドリームの開発プログラムの進行速度は業界平均値を上回るどころか、常時下回っています。

会長の窪田氏は全国各地を飛びまわり、個人投資家向け会社説明会の開催に余念がありません。目的は、一部のアナリストと同じく、個人株主を扇動するためでしょう。あるいは、難航する開発プログラムの業績不振を隠蔽するためとも見受けられます。

マディ・ウォーターズ・キャピタルLLCはペプチドリーム株式会社の株を空売りしています。同社は営業利益の実体を逸脱した情報を社外へ公表し、それによって不当な過大評価を受けた銘柄と判断するためです。

ペプチドリームは薬品の開発・上市に関する技術、能力をはじめ、19社の主な提携先と101件の共同研究開発プログラムを展開していることを誇示します。しかし、その提携の半数のプログラムが、休止状態または実質的に消滅していると考えられます。

また、ペプチドリームは創薬プラットフォームを用いた自社開発にも尽力していますが、その結果が大きな収入を生み出すとは考えがたい状態です。このような自社開発に重点を転換させる戦略で思い出すのが、一時、株式市場で人気沸騰だった、そーせいグループ株式会社です。そーせいグループはこの戦略転換が失敗に終わり、過去3年の間に時価総額が大きく減少しています。

ペプチドリームに関しては、一部のアナリストが投資家を扇るような、「買い」と結論づけるレポートを発表しつづけています。彼らは2027年までにペプチドリームによって上市される製品数はこれまでを大幅に上回る8〜15になるだろうと予測し、株主に期待を持たせます。しかし相反して私たちは、2027年までのペプチドリームによる上市の製品数は多くても1品に留まると予測します。

利用規約

利用規約

本ウェブサイトに掲載されている報告書はマディ・ウォーターズLLC(「マディ・ウォーターズ・リサーチ」)あるいはマディ・ウォーターズ・キャピタルLLC(「マディ・ウォーターズ・キャピタル」)によって作成されたものである。マディ・ウォーターズ・リサーチとマディ・ウォーターズ・キャピタルを集合的に「マディ・ウォーターズ」、個別に「マディ・ウォーターズの法主体」と呼ぶ。各報告書に発行元と所有者が明記されている。全ての報告書は目的を情報提供に限定する。いずれの報告書、また、報告書に含まれているすべての内容は、いかなる場合も投資の助言、売り申 し 込 み、買い申し込みの勧誘ではない。なお、日本語で掲載されている調査報告書は英語の翻訳であり、英語版と日本語版との間の齟齬が発生する場合、内容の解釈について英語版を優先することとする。

マディ・ウォーターズ・リサーチは株式公開法人について、デュー・ディリジェンスに基づいた調査報告書を作成する調査機関であり、マディ・ウォーターズ・キャピタルは米国証券取引委員会に登録している投資顧問会社である。各報告書は発行元のマディ・ウォーターズの法主体が所有する。本ウェブサイトはマディ・ウォーターズ・リサーチが所有する。本ウェブサイトに掲載されている意見、情報、報告書はマディ・ウォーターズの当該法主体のみに起因し、マディ・ウォーターズの当該法主体以外のいずれのマディ・ウォーターズ関係者(後述の定義参照)にも起因しない。

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閲覧者はマディ・ウォーターズ報告書の発行年月日の時点で、マディ・ウォーターズ関係者が(場合によってその成員、パートナー、関連会社、従業員、顧問等を通じて)対象発行者の一つ以上の有価証券(あるいはその有価証券に係わるオプション、スワップ、その他のデリバティブ商品)に対して「買い」または「売り」のポジションを確保しており、ゆえに対象発行者の株式または債券の価格が変動する場合、大きな利益を得る立場にいることを想定すべきである。

マディ・ウォーターズ・リサーチあるいはマディ・ウォーターズ・キャピタルあるいはマディ・ウォーターズ関係者は、マディ・ウォーターズ・リサーチあるいはマディ・ウォーターズ・キャピタルが対象発行者に関する報告書を初めて発表して以降(期間は未定)、対象発行者の有価証券を売買し続ける所存であり、当初のポジションや報告書で述べた意見と関係なく、ポジションが「買い」「売り」「中立」になる可能性が、いずれの時点でも発生する。マディ・ウォーターズ関係者が有するポジションに変化があっても、マディ・ウォーターズ・リサーチもマディ・ウォーターズ・キャピタルも本ウェブサイトに掲載されている報告書等の情報を更新しない。

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マディ・ウォーターズ・リサーチは、マディ・ウォーターズ・キャピタルと資本関係にある。マディ・ウォーターズ・キャピタルは米国証券取引委員会に登録している投資顧問会社であり、米国以外のいかなる管轄地域においても投資顧問会社として登録していない。マディ・ウォーターズ・キャピタルは、文面にて証明された投資顧問・顧客の関係を結んでいる相手以外には投資に関する助言を行わない。

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